介護現場で働く技能実習生に必要な”固有の要件”とは
海外からやってくる技能実習生は、実習できる職種が決まっています。
技能実習制度が始まって以来、さまざまな分野の職種が追加されてきました。
平成29年11月施行からはいよいよ「介護」職種が技能実習制度に組み込まれました。
しかし介護の現場は、他の対象職種以上に「対人スキル」が必要になる仕事。
そこで「介護の技能実習生に必要な条件」を2点、ご紹介します。介護現場ならではの固有条件があるのです。
日本語と介護職の実務経験が必要
介護職種の技能実習においては、対人援助業務として「固有の要件」が設定されています。
大きなものは次の2点です。
1.日本語能力要件
2.職歴要件
日本語は、介護施設などを利用する高齢もしくは障害のある利用者とスムーズにコミュニケーションをとるために、必要不可欠な要件です。
また「職歴要件」というのは、母国での介護業務の職歴についてです。
技能実習生は本来、日本に「技能の習得」に来ているのですから、母国での職歴や業務経験はそれほど問題になりません。
しかし介護職という特殊かつ専門性の高い仕事を実習する場合には、ある程度の基本的知識や業務経験が必要だということで、あえて「固有の要件」に含まれているのです。
日本語能力要件
介護の現場での実習では、利用者さんとのコミュニケーションはもちろん、実習中の細かな指導を受けるためにも、一定水準の日本語能力が必要とされます。
日本に来て1年目の「第1号実習生」と「2号実習生」については、それぞれ日本語能力試験のN4・N3試験に合格していること。
もしくは同等以上の能力があると認められる必要があります。
話す、聞き取るという能力はもちろん、日本語の読み書きもある程度はできないと実習中に問題が生じますから、母国でも日本にやってきてからも、日本語の研修を継続して行い、スキルを磨く必要があります。
職歴要件
職歴要件は「同等業務従事経験」ともいい、日本へやってくる前に、日本での実習と同種の業務を経験していることを指す条件です。
具体的には、
1.日本以外の場所で高齢者もしくは障害者の介護をした経験があること。日常生活のお世話や機能訓練などに従事した経験があること
2.海外で看護過程を終了している・看護師資格を持っていること
3.海外で政府による介護士認定などを受けていること。
です。
介護の現場では利用者さんの安全を守るのも重要な仕事になってきますので、介護経験のない実習生ではリスクが高すぎます。
そのために職歴要件がもうけてあるのです。
これからの実習生に期待がかかる職場
介護現場では、日本語が母国語であっても利用者さんとの意思疎通が難しいことがあります。
海外からの実習生にとってもハードルが高い仕事でしょうが、実習生が必要な分野でもあります。
これからの受け入れ状況に期待がかかる職種の一つです。