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沖永良部島の若手農家が、実習生をおもてなしバーベキュー

2019.02.16

奄美諸島の花であふれる島「沖永良部島(おきのえらぶじま)」には、100人以上の技能実習生がいると言われます。島民が約1万2千人の島に百人以上の実習生がおり、島にとって貴重な人材。
島では若手農家が中心となっている団体「エラブネクストファーマーズ(ENF)」が、技能実習生らをもてなすパーティーを企画するなど、外国からの実習生たちと友好的な関係を作るための努力を続けています。
実は、島民と実習生のほほえましい交流の裏には、「実習生が逃げていく島」と呼ばれる沖永良部島の厳しい現実があるのです。

「実習生が逃げていく島」と言われた沖永良部島

沖永良部島は、鹿児島市から飛行機で約1時間の島です。主要産業はサトウキビなどの農産物と、ソリダゴやトルコキキョウ、グラジオラスなどの花で、ソリダゴなどの花は一年を通じて首都圏や関西に出荷されます。
こういった第一次産業の働き手として技能実習生が受け入れられていますが、離島という環境のためか、実習生が島から出て行ってしまうという厳しい現実があります。
島がこれまでの約15年のあいだに受け入れた実習生約100人の内、10人以上が島から逃げ出したという統計があります。実習生たちがせっかく慣れてきた沖永良部島から逃げ出す理由は、大きく分けて二つです。
それはお金と環境です。

お金と離島という環境が、失踪の大きな原因

沖永良部島を含む鹿児島県の最低賃金と東京の最低賃金のあいだには、大きな差があります。
2018年の10月1日時点での鹿児島県の最低賃金は761円。しかし東京の最低賃金は985円ですから、1時間当たり224円もの差があります。
技能実習生は基本的に時給で働いているため、この賃金差が積もり積もれば非常に大きくなるのです。
また沖永良部島のような離島では、休日もとくに遊びに行くところもない。実習生たちにとっては、来日前に思い描いていた「日本」のイメージとはあまりにもかけ離れているため、都会に出て以降とします。こういったギャップが重なって、技能実習生たちは来日前に決めてあった実習期間を終える前に、島を出て失踪してしまうのです。
こういった実習生の失踪の問題が起きているのは、沖永良部島に限りません。
法務省によれば、2017年の技能実習生の失踪者数は7,089人にのぼります。技能実習生全体の受け入れ人数が251,721人ですから、全体の2%が失踪している計算です。島にとっても日本全体にとっても、技能実習生の失踪は、早急に対策を取らねばならない事態なのです。

島民の働きかけが、技能実習生の安定に

いっぽうで、沖永良部島の島民は失踪する技能実習生をやみくもに非難することはないようです。
この島は、戦後も8年にわたりアメリカに統治されてきた歴史があります。命がけで本土に渡った親族の仕送りによって、島の生活が支えられてきた一面もあるからです。
そのため、技能実習生の失踪についても沖永良部島では「仕方がない」と感じる反面、なんとか島に定着してもらえないものかと考え、さまざまな努力を重ねています。
冒頭の実習生とのバーベキューイベントなども、その一環です。
せっかく沖永良部島に来てくれた実習生なのだから、島の良いところをもっと知ってもらいたい。そして技能実習生がしっかり働ける環境と整えていくことが島の将来については重要だという、とらえ方です。

長く働ける環境と人間関係で、利点の多い関係の構築を

沖永良部島だけでなく、日本中で働き、学んでいる外国人は年々増え続けています。とくに農業などの第一次産業においては、欠かせない存在になりつつあります。
日本全体にとっても技能実習生の長期安定に向けて、沖永良部島の取り組みはとても重要なきっかけとなると言ってもいいでしょう。
受け入れる日本側も、外国人技能実習生が安心して長く働ける環境と人間関係を作り上げていくことが大切です。
今後は、お互いにウィン-ウィンの関係を目指すスタイルを模索していくことが重要です。